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つぃったー始めました

最近は何となくつぶやいています。
始めたばかりなので,2ヶ月サボってたことに変わりないんですが(^_^;

そんなわけでここでは駄文の更新のみになりそうです
(どこがブログx_x;;

つぃったーはつぶやき専門でお返事は書けないと思いますが
それでも良ければ探してみてください
(いちおうこのページからリンクは貼ってみたけど…
(ここ見て下さってる方もそういないだろうから非公開と変わらないと思ってみたり・苦笑)


拍手ありがとうございます!(感涙)
更新遅くてホントに申し訳ありませんですm(_ _)m





***


『My Litte Lover 6』



呼び鈴を鳴らしたが,応答がない。
開いたままだった扉を開けて中に飛び込むと,火の点いたような泣き声が聞こえた。


「あっちゃ~,遅かったかいな」


わんわん泣いているリノア。その濡れた髪を,困り果てたようにバスタオルで拭いているスコール。

「浴槽に転がり落ちたんだ。気づくのが遅れてたら溺れ死んでたぞ」
「ごめんな~。エルお姉ちゃんがお風呂入るんに苦労してんの見て,慌てて飛んできたんやけど」
「だから,入れてやるって言ったんだが」
「いやそれは無理やろ」
「…どこがだ?」


(この話が裏行きになるやろっ!)

心の中でだけ激しくツッコんで,泣き癖がついてしまったリノアを抱き上げた。

「…っく,ひっく」
「リノア。アタシたちと一緒にお風呂に入ろ。な?」


あ~よしよし。なんて言いながら,リノアを連れて行ってしまう。
ドアが閉まる前に「んじゃスコール。おやすみ~」なんて声が聞こえたけれど。
その声に答えたのはアンジェロだけで,スコールは濡れたバスタオルを持ったまま,憮然と呟いた。


「…どこがだ?」






「ひくっ…,ひっく…,…」

今まで堪えてきたものが堰を切ったように,リノアは大きな瞳から大きな涙の粒を溢れさせている。
入り慣れたお風呂で溺れるなんてことは,気丈に振る舞っているリノアにとっても屈辱的な事態だったらしい。
抱き上げているこちらまで切なくなるような泣き方。真実4歳の子供なら,こんな泣き方はしないだろう。
つい先程のあやすような言動を反省しながら,セルフィは上階へと向かうエレベーターに乗り込んだ。
扉が閉まる音の後は,モーター音とリノアの泣き声しか聞こえなくなる。


「…大丈夫やって,リノア。絶対に元に戻れる。戻したげるから」
「こんななーーんにもない,お子様体型見られたぁああーーーっっ!!」
「…お子様なんやから,なんもないのは当たり前やろ」
「こっこんな胴囲と胸囲がおんなじなの見られ…っ,スコールに嫌われちゃうよぅ~」
「大丈夫やって,リノア。スコールがリノアを嫌う事なんてあらへんて」
「なによっなんでよっスコールだって出るトコ出てた方が良いに決まってるじゃないのっ!
 それともセルフィはスコールがロリコンだって言うの!!?」
「リノア…返答に困る質問はせんで欲しぃわ…」
「やっぱり嫌われちゃうんだぁあ~!うわぁああああーーん!!」


乙女心は,とってもとっても複雑なのである。







微かな音を聞いた気がして,目が覚めた。
薄明かりの中,ヌンチャク(夢か幻か)を手繰り寄せて,そっと部屋の外を窺う。
じっと気配を殺して待ってみても,何の気配も捕らえられない。
―――いや,エルオーネのお気に入りの鳩時計が,小さな声で1回だけ鳴いた。


愛器に付いたチェーンが音を立てないよう細心の注意を払いながら,玄関へと足を向ける。
外通路から漏れる一筋の光の中,蹲っている小さな影があった。


「…リノア。何しとるん?」


リノアは飛び跳ねるように驚き,次いで悪戯が見つかった子供のように(いや実際子供なのだが)恐る恐る振り向いた。
彼女の背の向こうに,その小さな身体では隠しきれるはずもない,ダイニングチェアーが見える。


「ここまでよう運んできたなぁ。起こしてくれてええのに」
「…えへへ」


バツが悪そうに頭を掻くリノアの脇を抜けて,椅子の上方,玄関の鍵を開
けチェーンロックを外した。
扉を開くと,待ち兼ねたように外へと駆け出していく。


「ありがとー!おやすみなさーい!!」
「え!?リノア,ちぃっと待っとって」

「送ってくから」と続けようとした言葉を飲み込む。
小気味良い音を立てて,到着を告げるエレベーター。開いていくドアから溢れ出る光が,リノアが走る横,非常階段への入り口をも照らし出す。
その扉が開いた途端,リノアはくるりと方向転換するとその中へと飛び込むように跳ねた。

―――いや。

そこから伸びた長い腕がリノアを掠うように抱き上げた方が,速かったかも知れない。
いずれにせよ,エレベーターが誰も乗せることなく,再び階下へと降りていく頃には
辺りは元と同じ暗闇と静寂さを取り戻していた。



「不覚…。相手がスコールじゃしゃあないとは言え,完全に出遅れたわ~」


不届き者だった場合に備えて瞬時に武器を構え―――ている最中に,掠われた。
扉の近くにリノアが居ると,知っていたわけではないだろう。それはあの,扉を開いた瞬間の表情でわかる。
事実,リノアはエレベーターに向けて駆けていたのだ。その後を追っていたセルフィが,エレベーターではなく非常扉に反応できたのは日頃の訓練の賜と言える。


「…いや!スコールに出遅れたわけやない!!
 真っ暗闇の中にいる黒尽くめな男の,腕だか手だかでスコールがわかるリノアが異常なんやぁあ~っ!!!」



「さっきまであんなに『嫌われちゃう』って泣いてたのにね」
「あ~,ごめんエルお姉ちゃん。起こしてしもたわ」
「いいのよ。なんか眠れなかっただけだから」
「リノアはくぅくぅ寝てたと思たんやけどなぁ」
「ホントに羨ましいわ」
「枕が変わっても眠れるトコが?」
「ううん。
 『もう会えない』って泣いていても,『会いたい』って思ったら駆け出していけるところが」



月の光が,そろそろ眠りにつく科学都市を静かに照らしている。
色を亡くした壁を反射した光が,リビングに立ち尽くすエルオーネの影だけ,朧気に床へ描いた。


「…エルお姉ちゃん?」
「……え?」
「逢いたい人が,おるのん?」


未だリビングに入ってきていないセルフィの声が,薄闇の中から密やかに響く。
そちらへ顔を向けることなく,エルオーネはそれまで以上に俯いた。


「…わからなくなっちゃったの」
「逢いたい人が誰なのか,が?」
「ううん。スコールにずっと逢いたかった。
 でも実際に逢ってみたら,違ったっていうか…
 どうしてあんなに逢いたいと思っていたのか…わからなくなってしまったの。
 逢いたいと思いすぎたのか,…本当に逢いたかったのは別の人だったのか…」


朧気な月の光が,長い前髪が,隠す気はないはずのエルオーネの表情を読み取らせない。
その表情が見れたら。なにか…分かる気がするのに


「…それじゃ,おやすみなさい」
「あ…,うん」


引き留めることもできず。その“何か”を捉えられないまま,セルフィは仕方なく眠りに就いた




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