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あれから。

3月:B'zのLIVEに行きました。

4月:異動になりました。

5月:気付いたらあれから更に3kg太って昨日測ってみたら2kg減ってました…


1ヶ月分をまとめて書こうとしたらこう↑なった(苦笑


今度の職場は大所帯で活気があり,携帯のバイブ音すら部屋中に響き渡っていた前の職場とは大違いです。
忙しくても笑い声が絶えない職場って良いよね!(^▽^)
やっぱ職場環境って大事でしよね~3年間でホント性格悪くなったよ…(泣


生活に余裕が出てくると色々と周囲にも気が回るようになって
転居してようやく,部屋が片付けられるようになってきました(どんだけ--;
雑貨屋さん巡りが楽しくて仕方ない んだけど
細かい雑貨が増えてきて片付けた端から物が増えているような(^^;
そうすると今度は収納するための雑貨探して悪循環w
本も相変わらず凄い勢いで増えてるので危険です(家が傾ぐかもしれん x_x;




更新が止まってたので^^; 3ヶ月分を一気にUpな感じで。
ちょっと長いかもですがお暇な時にお付き合い下さい







***


『My Little Lover 5』





がたん。ゴトン。


大きな音を立てて引きずってきた椅子を,大鍋の前にセットする。
ぐらぐらと煮立った湯に,バターと塩を振り入れて。
パスタの封を切ったところで,ひょいと椅子から抱き下ろされた。


持っていたパスタを取り上げられ,代わりに泡立て器が入ったボールが手渡される。
片手で持てたハズのそれを両手で受け取り,何とかかき混ぜ,大きく一息。


「スコール。お皿は戸棚の上から2番目なの」
「了解」



盛ってあったサラダに出来上がったばかりのドレッシングをかけたところで,呼び鈴が鳴った。


「いらっしゃ~い」
「はぁ~…お腹空いた~。ラグナおじさんたら,もう!」
「まぁ予想範囲内ですよって。リノア,無事階段あがれたん?」
「途中まではね」


膝頭に貼り付いた,チョコボ印の絆創膏が痛々しい。
やっぱりもっと早く抱え上げれば良かった


スコールを襲っている後悔の嵐の激しさにも全く気づかず,リノアは椅子の上にクッションを積み上げ,その上に腰掛ける。
主人が落ち着くまでじっと様子を見ていたアンジェロが,ようやく自分の食事を始めた。


「リノア。アンジェロに吠えられなかったの?」
「うん。ちょっとの間不思議そうに見てたけどね,ちょっとだけよ。
 『アンジェロ,ただいま~』って言ったら,いつもどおりに返事したもん。
 ちゃんと分かってくれたんだもんね~,アンジェロは」

あん♪

さも当然と言わんばかりに応えるアンジェロ。

ちゃんとどころか。
顔中に浮かべた『???』の文字を,『ただいま』の挨拶と共にぎゅう。で押し切られたんだろうが。


自分も同じ方法で押し切られたことからは敢えて目を背けて,スコールはもくもくとほとんど自作の昼食を口に運ぶ。
女4人(?)の会話に口を挟んで被った害を,もう一度たりとも繰り返す気はない彼だった。



「ラグナさんのお家はどう?今晩眠れそう?」
「夜までにはなんとかな,寝る場所だけでも確保するわ」
「無理そうだったら私の家で寝ればいいわよ。
 単に“見ちゃったから片付けずにはいられない”だけだもの」
「じゃあわたし達は夕食のお買い物に行ってくるね。他に何か要るものある?」
「そやな~」


SeeD司令官の思惑はどうであれ,口を挟む暇も機会すら与えられないまま,本日午後の日程は着々と決まっていったのだった。



***




「リノア。あまり走るな」
「だって走らなきゃ,スコールの足に追いつけないじゃない」
「…俺の前を,ずっと走る必要はないだろう」
「だって面白いんだもん!」


見慣れていたはずの景色が,まったく違って見える。
スコールの膝丈にある花壇の花が,すぐ目の前にあるから。鮮やかな色彩,控えめな香りさえ身体全体を包み込むよう
この姿になって初めて,リノアは“子供目線”を満喫していた。




小気味良い音を響かせながら,すぐ隣を通り過ぎた漆黒のハイヒール。
エスタの民族衣装ではそもそも目に入らない筈のそれが,真後ろで止まったことに違和感を覚えた。
視線を上げていくと,惜しげもなく晒された美脚,見るからに上質とわかる青灰色のオフィススーツ。それに見劣りしない美貌。
結い上げた栗色の髪とかけられた眼鏡が,それらを厭味にならない程度に抑えている。

≪秘書モード≫にしたキスティスみたい!

そう思ってから周囲を見回すと,彼女から幾分距離を置いて,立ち止まる漆黒の革靴が何足か見えた。



「お久しぶりね,SeeD司… スコール」


その声を聞いた途端,イヤな感じがした。
この国でスコールのことを≪SeeD司令官≫と呼ぶ人は少ない。
それはこの国でのスコールが,SeeD全体を率いる司令官としてより今回のような少人数の班長であることが多いとか,そもそもSeeDとして来国しているのを知ってる人が少ないとか,更に一部の政府高官には≪大統領の生き別れだった,親とは別の意味で超優秀な息子≫としてのインパクトが強すぎるとか,そう言った諸々の事情があったりするのだが。
最も重要な事情―――当分の間はこの国に居るつもりらしい当代きっての魔女,つまりリノアの騎士としての身分を本人が最も優先しているために,他の一切の要素は忘れ去られている――については,
当のリノアが全く思いつかないために,いつだってするっとスルーされていくのだった。



「こんなところで逢えるなんて奇遇ね。この国へはお仕事で?」
「ああ」
「今も?」
「…」
「プライベートなの?じゃあご一緒しても良いかしら」



良いわけないじゃないの,断ってよスコール!

スコールの前で歩みを止めたままのハイヒール。艶のある挑発的な声。
頭上で繰り広げられている会話にヤキモキしたリノアは,自分の存在をアピールしようと彼と恋敵の間に割り込んだ。
いつもならここまであからさまなことはしないのだが,いかんせん今はハンデがありすぎる。
しかしここまでやっても,スコールしか眼中に入っていない彼女には何の効果もないようだった。



「その先に最近できた喫茶店があるのよ。珈琲が結構いけるの」


マニキュアに彩られた長い指先を翻して,スコールを誘うように一歩踏み出した。
項に垂らされた後れ毛が,彼女の纏う香りに一層の艶を与える。




公私に亘り様々な理由から,今まで異性から誘われた事は多々在れど
自分から誘ったことは片手で足りるほど。
けれどそれは光栄に思われこそすれ,断られた事など一度もない。
一歩寄り添うように踏み出せば,惹き寄せられるように着いてくる。
華に群がる蝶のように。


「…いや,やめておく」
「え?」


聞き間違いかと思い,問い直すために振り返る。
何より驚いたのは,その拒絶の言葉が聞いたこともない,穏やかな“笑い”を含んでいたからなのだが。
振り返ってみて初めて,スコールの行く手を阻むように立ち塞がる幼子が目に入った。
意志の強そうな黒曜石の瞳で,じっとこちらを見つめている。

どこかで見たことがあるような気がするのに。どうしても思い出せない。
彼とは似ても似つかないが,一縷の望みをかけて問いかけた。


「妹さん?」
「いや」
「親戚の?」
「あんたには関係ない」
「…言ってくれるわね」


関係ない,のは確かだが。そう言われただけで引き下がれる程,彼に関心がないわけではない。
ましてや聞き慣れた物言いだが。自分には一度たりとも向けられたことのない眼差しで,アリスブルーに彩られた女の子を見ている。
その子が不安気に振り返るのに合わせて,腰を落とし―――ほとんど跪くようにしてから,ゆっくりと抱き上げた。


「ご近所の……の,わけないわね」


彼に抱き上げられて初めて,彼女の全身が真っ直ぐに目に入る。
白い肌,桜色の頬と唇に,漆黒の髪。それらに彩りを与える,黒曜石の瞳。惚れ惚れする程の美少女。
しかしどんなに美少女でも,しょせん少女―――≪子供≫だ。
冗談交じりに,彼に再度問う。


「…Your little lover?」
「ああ」
「…!」


彼にも冗談で返されたのか定かではないが,いや絶対に冗談だと思いたいが。とにかく。
自分が“お呼びでない”のだけはわかった。
不思議そうに首を傾げた彼女に,精一杯の笑顔で笑いかける。


「ごめんなさいね,わたしお子様… いえ,あなたくらいの子が喜ぶ場所って不案内なのよ。
 だからこれで失礼するわね」
「あ…,はい。お気をつけて」


“子供”とは思えない挨拶を返したリノアにも気づかずに,踵を返した。
距離を取っていたはずの黒服達が,驚いたように駆け寄ってくる。


「レディ!いいんですか?」
「今度彼に逢うことがあれば,我が部署に加えるとあれほど」
「いいから。行くわよ」





「…いいの?」
「何がだ?」


抱き上げ方が悪いのか,リノアは彼女たちを見送ると,スコールの肩に掴まってちょこちょこと身動ぎした。
そうして体勢を整えながら,おずおずと問いかけてくる。


「あの人。えっと,単にお茶に誘われたんじゃなくて,スコールに話があったんじゃないの?」
「俺に話があるのなら,学園長を通すのが筋だろう」


リノアは更に居心地の良い体勢を探す振りをしながら,スコールの耳元で声を潜めた。
応じるスコールの声も,自然と囁くようなものになる。


「だってあの人って,近頃話題の,異母弟(おとうと)さんと政権争いしてる王女さまじゃないの?」
「…の,秘書に見えなかったか?」
「見えたけど。でもあの人が本人でしょ?」
「どうしてそう思った?」


肯定も否定もせず,スコールは人混みを避けて歩き始めた。
王女として対外的に知られているのは,実は似ているけれど全くの他人だ。そして王女本人は,日々苛烈になっていく異母弟の刺客から逃れるため,初めて表舞台に出てきた時から王女の秘書として行動している。
入れ替わりの事実を知っているのは,王女の母を始めとする彼女の周囲にいるごく限られた者だけだ。
だがリノアに,―――SeeDでも候補生ですらない彼女に看破されるようでは,真実に先が思いやられる。


「だってあの人,スコールを気に入ってたんだもん」
「…なんだそれ」


予想外の返事に,その意を汲もうと見つめてみても,ぷいっと顔を反らされてしまった。


どーせあの人にも,例の殺し文句を言ったに違いないんだわ
追い詰められてる女性に,その言葉がどんなに頼もしく聞こえるかなんて,知ろうともしないで

―――俺のそばからはなれるな

それが,こーーんなに格好いい男性から言われたら
ビジネスライクに徹されていたって,もしかしたら… って思っちゃうのが乙女心なのに


「おい,爪を立てて掴まるな。…もしかして,わざとやってるのか?」
「知りません」
「…」
「ちょっと,ナニ笑ってるのよぅっ!」


ヤキモチ妬いてるって見抜かれた訳じゃないみたいだけど。
単に拗ねてるって思われただけでも,お子様扱いされてるみたいで イヤ。


「いい加減に,下ろしてっ!」
「…イヤだ」
「どうしてよぅう~」


真っ赤になって半泣き状態のリノアは
そこら中にいる他の誰かに『お持ち帰り』されてしまいそうな程可愛かったから

間違っても 何があっても 手を放すわけにはいかない

そんなSeeD司令官の放つ静かな殺気に
買い物の間中反応した影がいくつもあったのにも,リノアはとうとう気づかないままだった



***

そう言えばこの秘書さん,名前を付けてなかった(爆)
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